MRIで軽度のCOVID-19後の脳の微細構造の変化が確認される

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研究結果
COV+群では、d-MRIにより、平均3ヶ月の追跡調査時にWMの微細構造の変化が見られた。しかし、皮質厚や辺縁系GMの体積には変化が見られなかった。

COV+群における繊維密度の減少は、いくつかの束で起こっており、軸索の喪失がCOVID-19後の症状の病的基盤に寄与している可能性が示唆された。

被験者の脳微細構造の変化と疲労の重症度との間に相関が観察された。特に、小脳路および脳梁における疲労度と軸索の完全性測定値との間に負の相関があることが報告された。

患者データから、感染後疲労のメカニズムに関する知見が得られた。疲労認知障害を有する COVID-19 患者では、運動皮質内の神経伝達が変化し、実行機能と注意の障害がみられた。

MoCAグローバルスコアとCANTAB認知能力に、検査群と対照群との間に差はなかったと報告されている。これは、コホートのCOVID-19の重症度が軽かったためと思われる。

結論
本研究では、以前に報告されたDTIの異常を再現することはできなかった。例えば、以前の研究では、COVID-19の3ヵ月後に外被、放線冠、上前頭・後頭筋膜のFAの増加がDTIで検出された。しかし、本研究では、認知障害とCOVID-19に関連する変化として、軸内・軸外容積の減少、FW分率の増加を伴う再分配が報告された。

本研究は、非入院患者を対象とした中長期的な回復期におけるCOVID-19症状の根底にある脳内基質の関与を示す証拠となった。

今後、COVID-19に関連する神経障害の基礎となる病態生理を解明するために、回復期を通じてこれらの患者を追跡調査する必要がある。また、COVID-19からの回復後のWMの変化の持続性を検証するために、軽度のCOVID-19の非入院患者を対象とした連続d-MRI研究が必要である。