ポルトガルにおけるオミクロンBA.5およびBA.2に対するワクチンの有効性の評価

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調査結果
2022年4月25日から6月10日の間に、BA.2症例は15,396人、BA.5症例は12,306人であった。BA.2症例と比較して、BA.5症例はやや若く、アレンテージョ地方とセントロ地方に多く居住していた。また,COVID-19の感染歴のある症例の割合は,BA.2症例よりもBA.5症例の方が高かった(10% vs. 5.6%).ワクチン接種状況については,両グループとも4〜5%の非接種者がいたが,BA.5では一次接種を受けた者の割合が高く(20.6% vs 15.8%),BA.2ではブースター接種を受けた者が多かった(80.1% vs 74.7% ).さらに、COVID-19による入院は106件、死亡は42件であった。
BA.5症例における一次接種またはブースター接種の完了オッズ(aOR=1.07 vs. 0.96)は、BA.2症例と同様であり、BA.5系統の感染に対するVE vaccine effectiveness には、BA.2との違いはないことが示唆された。BA.5系はBA.2系に比べ,感染歴がある確率が高い(aOR=1.44).一次ワクチン接種と過去の感染状況を組み合わせると,BA.5の推定aORはBA.2再感染の1.70倍であった.ブースター接種では,BA.2またはBA.5で入院リスクの高い減少が観察され,感染後のVEはそれぞれ93%と77%であった.
BA.5/BA.2系統のVEを比較できる交互作用項は3.36であり,BA.5ではBA.2に比べてブースター接種による入院に対する予防効果が低下していることが示唆された.BA.5とBA.2の感染後の完全一次予防の比率は2.06であり、信頼区間(CI)は広かった。ブースター投与については、死亡のaORはBA.5(VEp=88%)よりもBA.2(VEp=94%)の方がワクチン未接種よりもリスク低減率が高く、CIも重なっていた。死亡の結果について、BA.5/BA.2系統の感染後VEを比較できる交互作用項は、完全接種で0.43、ブースター投与で1.98であり、いずれも非常に不正確なCIであった。

結論
全体として,BA.5系とBA.2系の感染に対するVEはほぼ同等であった.しかし,SARSCoV-2 Omicron BA.5系統は,BA.2系統と比較して,過去の感染のオッズが高く,BA.5に対する過去の感染による防御力がBA.2と比較して低下していることが示唆された.さらに、入院アウトカムに対しては、BA.5感染ブースター投与後のVEがBA.2感染ブースター投与後よりも低かった。さらに,BA.5感染者では,入院転帰のオッズを低下させる1次ブースターの予防効果は1次接種よりも高かった(VEp=77% vs. 22%)。死亡については,BA.5感染者,BA.2感染者ともに,ブースター接種の感染後VEが高いと推定された.
要約すると,ポルトガルで現在使用されているワクチンは,BA.5の重篤転帰のリスクを減少させる効果はBA.2よりも低かったということである.BA.5系統とBA.2系統で観察された重篤な結果に対する一次接種とブースター投与後のVEの差は,COVID-19の重篤な予防における高い接種率の重要性を強調するものであった.

-Kislaya, Irina and Casaca, Pedro and Borges, Vítor and Sousa, et al. (2022). Comparative COVID-19 Vaccines Effectiveness in Preventing Infections, Hospitalizations, and Deaths with SARSCoV-2 BA.5 and Ba.2 Omicron Lineages: A Case-Case and Cohort Study Using Electronic Health Records in Portugal. doi: http://dx.doi.org/10.2139/ssrn.4180482 https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=4180482