唾液中のCOVID-19に対する新たな防御の鍵を発見

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SARSCoV-2は、ウイルスエンベロープ上のスパイクタンパク質S1が、ヒト細胞膜上のアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)受容体と結合することで感染する。COVID-19の感染経路としては、唾液と口腔内細胞が重要な感染経路となる。研究グループは、SARSCoV-2に感染していない(健康な)人の唾液が、濃度依存的にS1およびACE2の結合を阻害することを明らかにした。唾液中にACE2と結合する4つのタンパク質を同定し、その中でも好中球エラスターゼとヒストンH2AはS1とACE2の結合を顕著に阻害することを明らかにした。好中球エラスターゼとH2Aは正電荷を持つタンパク質で、負電荷を持つACE2のS1結合部位を覆うことでSARSCoV-2結合に対するバリアーとして働くという。また、研究グループは、ε-ポリ-L-リジンなどのカチオン性ポリペプチドも同様に、ACE2とS1の結合を阻害する効果があることを示した。

  • Yoshizato, K., et al. (2022) Cloaking the ACE2 receptor with salivary cationic proteins inhibits SARSCoV-2 entry. The Journal of Biochemistry. doi.org/10.1093/jb/mvac054.

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov