国際渡航制限、外出制限、集会の規模制限はCOVID-19流行に効果的

  • Wu, G., Zhang, W., Wu, W., Wang, P., Huang, Z., Wu, Y., Li, J., Zhang, W., Du, Z., & Hao, Y. (2024). Revisiting the complex time-varying effect of non-pharmaceutical interventions on COVID-19 transmission in the United States. Frontiers in Public Health, 12, 1343950. https://doi.org/10.3389/fpubh.2024.1343950

世界的なCOVID-19危機は終息したものの、複数ある非薬物介入 (NPI) の実世界での効果や、個々の NPI の経時的な相対的な貢献度は十分に理解されておらず、将来の潜在的な流行の緩和を制限している。

我々は、2020年8月から2022年7月までの米国51州における疫学パラメータ、ウイルス変異株、ワクチン、気象要因を含む4つの大規模データセットに基づき、スパイクアンドスラブ事前分布を持つベイズ階層モデルを構築し、NPI とワクチンの経時的な効果と、異なる変異株の流行状況における重要な NPI の特定を行った。

その結果、

  • (i) 2020年8月〜9月までに統合された NPI に起因する実質的な基本再生産数 (R0) の減少は 52.0% (95%CI: 44.4, 58.5%) だったのに対し、その後の数ヶ月で NPI の緩和により減少率は継続的に低下した。
  • (ii) 国際渡航制限、外出制限、集会の規模制限は、相対的貢献度が 12.5% を超える重要な NPI であった。
  • (iii) ワクチン接種単独では、完全接種率が 60% 未満の場合、感染拡大を抑えることはできなかったが、NPI とシナジー効果を発揮することができた。
  • (iv) 2022年2月までに、たとえ完全接種率が 60% を超えていても、上記のような NPI が撤廃されたため、NPI とワクチンの併用は多くの州で R0 を 1 以下に下げることができず、2022年3月以降は COVID-19 の再流行が見られた。

以上の結果は、NPI とワクチンには高い相乗効果があり、NPI の撤廃にあたっては、その相対的有効性、ワクチン接種率、新規変異株の出現を考慮すべきことを示唆している。