米国医師における2020年3月から2021年12月までの超過死亡数

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結果
合計4,511.0人の死亡が報告され、米国医師の過剰死亡は622人で、月平均85,631人の米国医師で、そのうち65%が男性、35%が女性であった。合計すると、10万人年ごとに43人のCOVID-19に関連した過剰死亡が報告された。患者に直接ケアを行う医師の活動年齢には急激な勾配が見られ、10万人年あたり、最も若い医師で10.0人、最も高い医師で182.0人の過労死が発生した。

年齢を問わず、米国の医師は米国の人口よりも過労死がかなり少なく、米国の現役医師はSARSCoV-2に感染するリスクが高いにもかかわらず、非役職者よりも超過死が少なかった。

過剰死亡率は、10万個人年当たりの非活動的米国医師(n=140)において、患者に直接支援を行う活動的米国医師(n=27)および患者に直接ケアを提供しない活動的医師(n=22)よりも大きかった。しかし、その過剰死亡率は一般人の過剰死亡率(n=294)よりもはるかに少なかった。

米国の現役医師では、2020年12月に死亡者数が70人を超える超過死亡率のピークが観察され、その後、翌年には速やかに単調減少していた。2021年4月以降は、SARSCoV-2ワクチンが普及したこともあり、COVID-19に関連した顕著な過剰死亡は報告されていない。感度分析でも同様の結果が得られ、主分析結果の頑健性を示している。

この結果から、SARSCoV-2ワクチンの接種、個人防護具の使用、十分な人員配置、感染制御戦略、およびその他のCOVID-19緩和策が、SARSCoV-2感染に伴う過剰死亡を有効に防止していることが示された。さらに、患者に直接ケアを提供する高齢の現役米国医師の過剰死亡数が多いことから、医療政策はこのグループのCOVID-19関連死亡リスク軽減を優先させる必要があることが示された。

45歳から64歳の医師では、直接治療を行う現役医師、間接治療を行う現役医師、非現役医師における過剰死亡はそれぞれ81、13、11であった。65歳から74歳の医師における対応する死亡数はそれぞれ108、-8.0、91であり、75歳から84歳の医師における対応する過剰死亡数はそれぞれ85、10、228であった。

年齢別では、患者を直接治療している現役の米国人医師、患者を間接的に治療している現役医師、非現役医師における過剰死亡は、それぞれ285、24、361であった。COVID-19に関連した総死亡者数は、それぞれ1805人、225人、2481人であった。死亡者総数は、45歳以上84歳未満の非活動医(n=2,481)で最も多く、45歳以上64歳未満の患者に直接医療を提供していない活動医(n=39)で最も少なくなっていた。

全体として、本研究結果は、COVID-19パンデミック時の米国医師の過剰死亡を浮き彫りにし、米国医師の過剰死亡を防ぐために実施される医療戦略と政策が、一般市民の過剰死亡軽減の重要な要素であることを示している。