- Nirmatrelvir Use and Severe Covid-19 Outcomes during the Omicron Surge. Ronen Arbel, et al. The New England Journal of Medicine. doi: 10.1056/NEJMoa2204919
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2204919?query=featured_home
試験結果
研究対象基準を満たした109,254人のうち、研究期間中にニルマトルビル nirmatrelvir の投与を受けたのは3902人(4%)にとどまった。
主な研究結果は、ワクチン接種の有無にかかわらず、COVID-19による入院および死亡の割合は、65歳以上の成人では若年層よりも有意に低く、いずれもnirmatrelvirによる治療を受けていたことである。すなわち,前者は10万人日あたり14.7件,後者は10万人日あたり15.2件であり,調整ハザード比(aHR)はそれぞれ0.27および0.74であった。
注目すべきは、COVID-19による死亡のaHRが1.32であったことである。本試験の結果は、EPIC-HR試験のサブグループ解析ともよく一致した。Delta variant waveの時期に実施されたEPIC-HR試験では高かったOmicronによる入院のリスクが、今回の試験では顕著に低く観察されたのである。
結論
全体として、本研究の結果は、ニルマトルビル療法は65歳以上の患者に有益であり、重症COVID-19の発症に対する感受性を低下させるが、オミクロンの急増時に若年成人には明らかな利益をもたらさないことを示した。