要旨
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2型(SARS–CoV-2)のB.1.1.529(Omicron)変異体は、他のSARS–CoV-2変異体よりも感染力は強いが重症度は低いと以前に報告されている。この仮説を検証するため,米国マサチューセッツ州の 13 病院を含む大規模医療システムの品質管理された電子カルテと州レベルのワクチン接種データをリンクさせた。次に、13万人以上のCOVID患者を対象に、SARS–CoV-2の波に応じた入院と死亡のリスクを比較する加重ケースコントロール研究を実施した。調整前の入院率および死亡率は、オミクロン期と比較して以前の波で高いように見えたが、様々な人口統計、シャルソン併存疾患指数スコア、ワクチン接種状況などの交絡因子で調整した後(医療利用は一定とした)、入院と死亡のリスクは期間間でほぼ同じであることが分かった。我々の分析は、オミクロン変異型の本質的な重症度は、これまでの変異型と同程度である可能性を示唆している。