- Wang, S. et al. (2023) “Multidimensional Sleep Health Prior to SARS–CoV-2 Infection and Risk of Post–COVID-19 Condition”, JAMA Network Open, 6(5), pp. e2315885-e2315885. doi: 10.1001/jamanetworkopen.2023.15885. https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2805380
JAMA Network Openに掲載された最新の研究では、多次元的な睡眠健康と新型コロナウイルス病(COVID-19)後の状態(PCC)との関係を調査している。
PCCは、SARS–CoV-2感染後4週間以上COVID-19関連の症状が持続する状態を指し、感染者の20%から70%に影響を及ぼす。この症状は慢性的な咳、疲労、頭の霧、うつ病、嗅覚喪失など、さまざまな症状を含む。しかし、PCCの原因、予防、治療法はまだ不明であり、睡眠問題は一般的だが見過ごされがちなリスク要素である。
今回の研究では、研究者たちは、COVID-19パンデミック前および初期の睡眠健康の多次元とPCCリスクとの関連を前向きに調査した。結果として、44%の参加者がPCCの症状を報告しており、パンデミック前の健康的な睡眠スコアは、PCCリスクが低いことと関連していた。
特に、パンデミック前の昼間の機能不全とパンデミック初期の睡眠の質は、PCCのリスクと最も強い関連性を示していた。また、パンデミック前と中に健康的な睡眠パターンを持つ参加者は、最も低いPCCリスクを持っていた。
研究者たちは、パンデミック前および初期の複数の睡眠健康の次元が、PCCのリスクを減らすことと関連していることを確認した。これらの結果は、主に白人で中年以上のコホートに限定されているため、その結果の一般化は制限される可能性がある。今後の研究で、睡眠健康の改善がPCCの症状を緩和または予防するかどうかを確認するべきだ。