重症のCOVID-19により癌が1.31倍多く発症する、少なくとも癌のマーカーになりうる

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  • Dugerdil, A., Semenzato, L., Weill, A. et al. (2023). Severe SARSCoV-2 infection as a marker of undiagnosed cancer: a population-based study. Scientific Reports 13(8729). doi:10.1038/s41598-023-36013-7

Scientific Reports誌に掲載された最近の研究では、新型コロナウイルス感染症SARSCoV-2)の重症度が未診断のがんを示す指標であるかどうかが調査された。

この調査において、研究者たちはフランスの国民保健データ(SNDS)データベースを使用した。このデータベースは、フランス全体の医療費払い戻しデータを含むため、さまざまな薬理学的、疫学的研究に使用されてきた。データベースには、2020年2月15日から2021年8月31日までの集中治療室(ICU)入院データが含まれ、この期間はCOVID-19の大流行開始からフランスの第4波終了までをカバーしている。追跡調査は2021年12月末まで延長され、ICU入院患者の4か月間の追跡を可能にした。

研究対象者は、2つのグループに分類された。1つ目はICUに入院した者、2つ目は年齢、性別、フランスの県が一致し、入院していない対照群である。対象者からは性別、年齢、居住地域、社会経済状況などの情報が収集され、既往症、COVID-19のワクチン接種状況、ステロイド免疫抑制剤の治療、依存症などの共変数が分析された。

ICUに入院した41,302人のうち897人が追跡調査期間中にがんと診断され、一方、対照群の713,670人のうち10,944人ががんと診断された。ICUに入院した者は、SARSCoV-2感染で入院が必要なかった者と比較して、1.31倍がんと診断されるリスクが高かった。

この研究では、SARSCoV-2感染と追跡調査期間中のがん発症との因果関係は論じられていないが、2つのグループ間のスクリーニングと診断技術の違いが、検出バイアスを引き起こす可能性があると推測している。

結論として、重症のSARSCoV-2感染を経験し、ICU入院が必要だった者は、COVID-19の入院が必要なかった者よりも、その後の数か月間でがんと診断されるリスクが高い。検出バイアスの可能性があるものの、この結果は、重症のSARSCoV-2感染が未診断のがんのマーカーである可能性を示している。