ビタミンDはCOVID-19を予防するか?

 

この研究では、コロナウイルス病2019(COVID-19)の発症前にビタミンDを補給することが有効であるかどうかが調査されている。ビタミンDは脂溶性であり、表皮で合成される。その活性化には代謝過程が必要であることが背景にある。ビタミンDは人間の遺伝子の約3%を制御しており、筋肉機能、代謝、免疫応答、癌発生などを調節すると考えられている。

研究では、COVID-19診断前のビタミンD補給が有益な結果をもたらすかが検討された。様々なデータベースから関連する定量データを持つ無作為化比較試験(RCT)や他の研究が調べられた。対象は患者や医療従事者で、主な結果はCOVID-19の発生率、集中治療室(ICU)への入院、および死亡率であった。

最終的に16の出版物が分析に選ばれ、その結果、ビタミンDの補給は感染リスクを低減することが示された。特に医療従事者においては、補給によるリスク減少が約80%であったが、非医療従事者の集団ではビタミンDの補給がCOVID-19感染率に影響を与えなかったことが指摘された。

また、ビタミンDの補給はCOVID-19に関連するICU入院に対して保護的であるが、死亡率には関連が見られなかったと報告された。総じて、ビタミンD不足の個体において、ビタミンDの使用がCOVID-19及び関連する合併症の予防に有効である可能性を支持する結果が得られた。