SARS-CoV-2感染者のウイルスエアロゾル飛散に対する感染源対策としてのマスクと呼吸器の相対的有効性:ヒト対照試験

  • Lai, J., Coleman, K. K., Tai, S.-H. S., German, J., Hong, F., Albert, B., Esparza, Y., Srikakulapu, A. K., Kalliomäki, P., Schanz, M., Smith, A. A., Maldonado, I. S., Oertel, M., Fadul, N., Gold, T. L., McPhaul, K., Ma, T., Cowling, B. J., & Milton, D. K. (2023). Relative Efficacy of Masks and Respirators as Source Control for Viral Aerosol Shedding from People Infected with SARS-CoV-2: A Human Controlled Trial [Preprint]. SSRN. https://doi.org/10.2139/ssrn.4631479

要旨
背景 フィット感の高いマスクや呼吸器は、緩いマスクに比べてエアロゾル源の制御を向上させることがマネキン研究で明らかになった。これが人間にも当てはまるかどうかは不明である。

方法 COVID-19を有するボランティアの呼気中のSARS-CoV-2ウイルス量に対する感染源制御としてのマスク(布製および外科用)と呼吸器(KN95およびN95)の有効性を比較した。ボランティアは、マスクなしとマスクありの呼気サンプルをペアで提供し、感染源制御因子の計算を可能にした。

結果 すべてのマスクと呼吸器は、フィットテストやトレーニングなしで呼気ウイルス量を有意に減少させた。ダックビルN95は呼気ウイルス量を98%減少させ(95%信頼区間:97%~99%)、布製マスクやサージカルマスクと比較してKN95が有意に上回った(p<0-001)。布製マスクはサージカルマスク(p=0-012)およびKN95(p=0-028)を上回った。

解釈 これらの結果は、呼吸器ウイルス感染症が地域社会で流行し、医療関連伝播のリスクが高い場合には、N95レスピレーターがナーシングホームや医療環境における標準的ケアとなりうることを示唆している。