小児におけるSARS-CoV-2の急性後遺症

  • Rao, S., Gross, R. S., Mohandas, S., Stein, C. R., Case, A., Dreyer, B., Pajor, N. M., Bunnell, H. T., Warburton, D., Berg, E., Overdevest, J. B., Gorelik, M., Milner, J., Saxena, S., Jhaveri, R., Wood, J. C., Rhee, K. E., Letts, R., Maughan, C., … Stockwell, M. S. (2024). Postacute Sequelae of SARS-CoV-2 in Children. Pediatrics, 153(3), e2023062570. https://doi.org/10.1542/peds.2023-062570

コロナウイルス感染症2019(COVID-19)の大流行は、短期的にも長期的にも、世界的に医療、社会、経済に大きな影響を及ぼしている。ほとんどの人は急性感染から数日から数週間で回復するが、より長期にわたる影響を経験する人もいる。小児における重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2型感染症(PASC)の急性期後の後遺症、すなわちlong COVIDに関するデータは、ようやく文献に現れてきたばかりである。これらの症状や病態は、急性感染からの持続的な症状(咳、頭痛、疲労、味覚・嗅覚障害など)、めまいなどの新たな症状、あるいは基礎疾患の増悪を反映している可能性がある。姿勢起立性頻脈症候群、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群、自己免疫疾患、小児の多系統炎症症候群など、小児が新たに発症する場合もある。この最先端の叙述的レビューでは、有病率、疫学、危険因子、臨床的特徴、基礎となる機序、機能的転帰を含む、小児のPASCに関する現在の知識の要約と、現在の米国国立衛生研究所の定義に基づくPASCの概念的枠組みを提供する。米国国立衛生研究所が資金を提供するResearching COVID to Enhance Recovery Initiativeの小児部門に焦点を当て、小児および若年成人におけるPASCの自然史、メカニズム、および長期的な健康影響の特徴を明らかにし、将来の治療と予防の取り組みに役立てようとするものである。これらの取り組みには、地理的・人口統計的に多様な規模で迅速な評価を提供する電子カルテコホートと、疾病負担、疾病の軌跡、病理生物学、臨床症状および転帰を推定するための縦断的前向き観察コホートが含まれる。

PASCの概念モデル。凡例: NIHはPASCを、基礎疾患の増悪、急性感染の持続的症状、あるいは急性SARS-CoV-2感染期とは異なる、新たに生じた症状や状態と定義している。