COVID-19感染後の腎臓および肝臓疾患のリスク: 系統的レビューとメタ解析

  • Pan, B., Wang, X., Lai, H., Vernooij, R. W. M., Deng, X., Ma, N., Li, D., Huang, J., Zhao, W., Ning, J., Liu, J., Tian, J., Ge, L., & Yang, K. (2024). Risk of kidney and liver diseases after COVID‐19 infection: A systematic review and meta‐analysis. Reviews in Medical Virology, 34(2), e2523. https://doi.org/10.1002/rmv.2523

COVID-19は、かなりの急性肝障害および腎障害に関連するだけでなく、腎臓および肝臓系を含む急性期以降の後遺症のリスク上昇にも関連する。われわれは、COVID-19曝露が腎臓および肝臓疾患の長期的リスクを増加させるかどうか、またこれらの関連性の大きさはどの程度かを調査することを目的とした。PubMed、Embase、Web of Science、ClinicalTrials.gov、Living Overview of the Evidence COVID-19 Repositoryを検索し、COVID-19と腎臓および肝臓の転帰との関連を推定するコホート研究を探した。ランダム効果メタアナリシスは、組み入れられた研究の結果を組み合わせるために実施された。Grading of Recommendations Assessment, Development and Evaluationの手法を用いてエビデンスの確実性を評価した。3,200万人以上が参加した15件のコホート研究がシステマティックレビューに組み入れられた。COVID-19は、腎臓疾患のリスクを35%増加させ(1,000人当たり10人増加;確実性の低いエビデンス)、肝臓疾患のリスクを54%増加させた(1,000人当たり3人増加;確実性の低いエビデンス)。急性腎障害、慢性腎臓病、肝検査異常のCOVID-19による絶対的増加は、それぞれ1000人当たり3人、8人、3人であった。サブグループ解析では、腎臓病と肝臓病のタイプによる差は認められなかった。この所見は、COVID-19と腎臓および肝臓疾患の発症との関連を示すさらなる証拠となる。しかし、腎臓および肝臓の転帰に対するCOVID-19の効果の絶対的な大きさは比較的小さかった。