アメリカにおける長期COVIDの有病率調査

概要

アメリカ合衆国保健省疾病対策予防センター(CDC)は、長期的なCOVID-19症状(ロングCOVID)の有病率を推定するために、世帯調査である「Household Pulse Survey」に質問項目を追加した。

この調査は20分程度のオンラインアンケートであり、新型コロナウイルスのパンデミックがアメリカ合衆国に与える社会・経済的影響を把握することを目的としている。

調査内容

2022年6月1日開始のフェーズ3.5から、コロナ罹患後3ヶ月以上続く症状の有無を質問項目に加えた。さらに9月14日開始のフェーズ3.6からは、長期症状がある方のうち、日常生活活動がCOVID-19罹患前と比べて制限されているかどうかを尋ねる質問が追加された。フェーズ3.6は2週間調査、2週間公開というサイクルで継続されている。

調査結果

この調査結果に基づき、18歳以上の成人における以下の項目が推定されている。

  • かつてCOVID-19に罹患し、その後3ヶ月以上続く症状を経験したことのある成人の割合(全体の成人を分母とした割合)
  • COVID-19に罹患したことのある成人の中で、かつてCOVID-19に罹患し、その後3ヶ月以上続く症状を経験したことのある成人の割合
  • 現在、COVID-19に罹患し、その後3ヶ月以上続く症状を経験している成人の割合(全体の成人を分母とした割合)
  • COVID-19に罹患したことのある成人の中で、現在、COVID-19に罹患し、その後3ヶ月以上続く症状を経験している成人の割合
  • (フェーズ3.6以降) 現在、ロングCOVIDを経験している成人の中で、日常生活活動が制限されている成人の割合(全成人と現在ロングCOVIDを経験している成人をそれぞれ分母とした割合)
  • 上記の割合を理解するための参考情報として、調査対象成人のCOVID-19罹患経験率

補足

なお、調査に基づくCOVID-19罹患経験率は、血液中の抗体保有率を調べる血清疫学調査による推定値よりも低くなっている。

長期COVIDに関する質問は、同じくCDCが実施する「National Health Interview Survey(NHIS)」にも2022年から含まれている。NHISはより詳細な情報を収集する調査であり、2024年12月まで継続される予定だ。

参考資料