Long COVID後の新規診断疾患のうち67%は患者の症状と関連。内分泌・代謝疾患は症状との関連性が低い

  • Nakano, Y., Sunada, N., Tokumasu, K., Honda, H., Otsuka, Y., Sakurada, Y., Matsuda, Y., Hasegawa, T., Omura, D., Ochi, K., Yasuda, M., Hagiya, H., Ueda, K., & Otsuka, F. (2024). Occult endocrine disorders newly diagnosed in patients with post-COVID-19 symptoms. Scientific Reports, 14(1), 5446. https://doi.org/10.1038/s41598-024-55526-3

本研究は、新型コロナウイルス (COVID-19) 後遺症の診断において除外診断が重要であることを踏まえ、後遺症と鑑別すべき疾患の特徴を明らかにすることを目的とした。

対象は、2021年2月から2023年6月までの間に当院の外来を受診した731名の患者である。そのうち、50名 (6.8%) の患者で治療介入を要する52疾患が新たに診断され、16名 (全体の2.2%) は、Long-COVID 治療よりも新規診断された疾患の治療を優先すべきと判断された。新規診断の割合は年齢とともに上昇し、60歳以上の患者では 15.7% が新規診断を受けている。

最も多く診断されたのは、いずれも8名 (16%) いた内分泌・代謝疾患と血液・呼吸器疾患であった。新規診断疾患のうち 35 件 (67%) は患者の症状と関連していたが、内分泌・代謝疾患は症状との関連性が最も低かった。特に症状のあるLong-COVIDの高齢者においては、鑑別すべき他の疾患にも注意が必要である。

以上のように、Long-COVID のマネジメントにあたっては、適切な評価と鑑別診断が不可欠である。