コロナ発症から1年後に 59% の人が何らかの臓器障害を抱えていた

  • Dennis, A., Cuthbertson, D. J., Wootton, D., Crooks, M., Gabbay, M., Eichert, N., Mouchti, S., Pansini, M., Roca-Fernandez, A., Thomaides-Brears, H., Kelly, M., Robson, M., Hishmeh, L., Attree, E., Heightman, M., Banerjee, R., & Banerjee, A. (2023). Multi-organ impairment and long COVID: A 1-year prospective, longitudinal cohort study. Journal of the Royal Society of Medicine, 116(3), 97–112. https://doi.org/10.1177/01410768231154703

イギリスの研究で、コロナ後遺症 (Long Covid) 患者における臓器障害の長期的な影響が調べられた。

研究では、コロナ発症から 6カ月と 12カ月経過した時点での臓器障害の有無と、症状との関連性が調査された。対象者は 536人で、そのうち 62% に何らかの臓器障害が認められた。

調査の結果、息切れ、認知機能障害、生活の質の低下のいずれかが 6カ月後と 12カ月後も継続している人が多く、これらは若い女性や単一臓器障害の人でより多くみられた。

また、コロナ発症から 6カ月後には 69% の人が、12カ月後でも 59% の人が何らかの臓器障害を抱えていた。興味深いことに、症状の程度は時間とともに緩和傾向にあった (6カ月後で平均10個の症状、12カ月後で平均3個の症状)。

この研究結果は、コロナ後遺症患者の 59% は 1年経過しても臓器障害が残っており、これが症状や生活の質、長期的な健康に影響を与えている可能性を示唆している。研究者たちは、コロナ後遺症の予防と一体的な治療法の開発を訴えている。