Increased emotional sensitivity linked to previous COVID-19 infection, new research suggests
How prior coronavirus disease 2019 (COVID-19) infection, through behavioral immunity markers, impacts socioemotional functioning.
背景
新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) 感染は、長期的な精神衛生悪化を引き起こし、パンデミックによる社会的混乱や感情的不安定さを悪化させる可能性がある。
研究目的
本研究は、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の既感染歴が、社会感情機能にどのような影響を与えるのかを調べた。
研究方法
- 参加者:Amazon メカニカルトゥルク (MTurk) の成人労働者 (18歳以上、英語堪能、アメリカ在住、精神疾患歴なし)
- 最終分析対象者:734名
- 方法:オンライン調査
- 内容:
- 質問票:COVID-19診断歴、パンデミックによる混乱の程度
- 画像評価タスク:中立、感染脅威、身体的危害の3カテゴリに分けられた90枚の画像に対する嫌悪感、恐怖感、病気や危害のリスクの評価
- 内容:
- 分析方法:
- 多重レベルモデル:画像に対する感情反応とパンデミックによる混乱の関係を分析
- ブートストラッピング分析:画像に対する感情反応が、COVID-19診断歴とパンデミックによる混乱の関係を仲介するかどうかを分析
結果
- COVID-19既感染者は、パンデミックによる混乱をより大きく経験していた。
- すべての画像タイプに対する嫌悪感と病気への評価が、COVID-19診断歴とパンデミックによる混乱の関係を仲介していた。
- 中立画像に対する嫌悪感の反応が、COVID-19診断歴とパンデミックによる混乱の関係を最も強く仲介していた。
- すべての画像タイプの恐怖感反応と、中立および感染画像に対する危害評価が、COVID-19診断歴とパンデミックによる混乱の関係を仲介していた。
考察
- COVID-19既感染者は、行動免疫系 (感染に対する嫌悪感や回避行動) と回避行動系 (恐怖感や危害評価) の両方が活性化され、パンデミックによる混乱をより大きく経験していた。
- 中立的な刺激に対する嫌悪感の反応は、特に重要な役割を果たしている可能性がある。
- これらの結果は、COVID-19既感染者の精神衛生への影響を理解し、介入策を開発する上で重要である。
今後の課題
- 本研究は観察研究であり、因果関係を確定することはできない。
- 他の要因 (例:社会的サポート、性格特性) が、COVID-19既感染者と社会感情機能の関係に影響を与えている可能性がある。
- さらなる研究が必要である。
結論
COVID-19既感染者は、社会感情機能に悪影響が及ぶ可能性がある。行動免疫系と回避行動系の活性化が、そのメカニズムに関与している可能性がある。
- Spangler, D.P., Li, E.Y., Revi, G.S. et al. (2024) The psychological costs of behavioral immunity following COVID-19 diagnosis. Sci Rep. doi:https://doi.org/10.1038/s41598-024-59408-6. https://www.nature.com/articles/s41598-024-59408-6