- Diexer, S., et al. (2023) Association between Virus Variants, Vaccination, Previous Infections, and Post COVID-19 Risk. International Journal of Infectious Diseases. doi.org/10.1016/j.ijid.2023.08.019.
ハレ大学(University Medicine Halle)が実施し、”International Journal of Infectious Diseases “に掲載された研究によると、コロナウイルス後遺症(Post COVID-19)の発症リスクは、オミクロン型に感染した後では、それ以前のコロナウイルス型に感染した後よりも有意に低いことが判明した。この研究では、11,000人の参加者の感染歴、ワクチン接種の有無、感染後の症状に関するデータを評価した。その結果、初感染後にコロナ後遺症が認められなかった人は、再感染時にコロナ後遺症のリスクが顕著に低下することが明らかになった。
変異体との関連: 本研究の目的は、コロナ後遺症、コロナウイルス株の違い、ワクチン接種の有無、過去の感染との関係を明らかにすることであった。その結果、オミクロン株が蔓延しているときにコロナ後遺症の発生率が最も低いことが示された。
野生型との比較 オミクロン株感染後のコロナ後遺症発症リスクは、野生型変異株感染後よりも3~4倍低いことが判明した。とはいえ、ほとんどの感染でオミクロン型が優勢であるため、オミクロン型感染後にコロナ後遺症を発症する人の方が依然として多かった。
先行感染による防御効果: 以前にコロナウイルスに感染し、症状が持続することなく回復した人は、再感染時にコロナ後遺症を発症するリスクが大幅に減少することを示唆する有力な証拠がある。この予防効果は予想以上に顕著であった。
ワクチン接種とコロナ後遺症:この研究では、ワクチンブレイクスルーの場合のコロナ後遺症に対する予防効果は立証できなかった。試験時点では、オミクロン変異体を特異的に標的とするワクチンは解析されていない。
研究パラメーター この研究では、2022年6月時点で48,000人以上が参加したドイツ全体のDigiHeroプロジェクトのデータを利用した。この研究のユニークな点は、参加者の感染歴を考慮したことである。回答者は、一般的なコロナ後遺症24項目について調査を受けた。症状を訴えた人のうち、14%に重度の疲労、8%に重度の頭痛、7%に重度の息切れがあった。これらの症状の重症度は、特定のコロナウイルス変種との関連は認められなかった。
進行中の調査 コロナ後遺症の持続性をより深く掘り下げるための追跡調査が進行中である。DigiHeroは、COVID-19の大流行に関する多くの健康問題を調査している。さらに、コロナ後遺症レジストリが設立され、様々な治療によるコロナ後遺症の進行と緩和を追跡している。
デジヒーローの背景
DigiHeroはドイツにおける全国的なデジタルヘルス研究のイニシアチブである。ドイツ14州から9万人以上が参加登録している。慢性疾患の発症、健康行動、COVID-19など、健康問題を幅広くカバーしている。ハレ大学医学部を含むドイツの複数の医療機関がこのプロジェクトに参加している。