小児COVIDに対するワクチンの有効性

  • Razzaghi, H., Forrest, C. B., Hirabayashi, K., Wu, Q., Allen, A. J., Rao, S., Chen, Y., Bunnell, H. T., Chrischilles, E. A., Cowell, L. G., Cummins, M. R., Hanauer, D. A., Higginbotham, M., Horne, B. D., Horowitz, C. R., Jhaveri, R., Kim, S., Mishkin, A., Muszynski, J. A., … RECOVER CONSORTIUM. (2024). Vaccine Effectiveness Against Long COVID in Children. Pediatrics, e2023064446. https://doi.org/10.1542/peds.2023-064446

目的
ワクチン接種は小児の急性コロナウイルス感染症2019(COVID-19)のリスクを低下させるが、長いCOVIDに対する予防効果があるかどうかはあまり明らかではない。5~17歳の小児におけるlong COVIDに対するワクチン効果(VE)を推定した。

方法
このレトロスペクティブコホート研究では、RECOVER PCORnet電子カルテプログラムに参加している17の医療システムからのワクチン接種後の受診データを使用した。ワクチン接種後の長いCOVIDの可能性(症状に基づく)と診断の両方を検討した。

結果
1,037,936人の小児のコホートにおけるワクチン接種率は67%であった。COVID-19患者におけるprobable long COVIDの発生率は4.5%であったが、診断されたlong COVIDは0.8%であった。12ヵ月以内の調整後ワクチン有効率は、推定long COVIDに対しては35.4%(95 CI 24.5-44.7)、診断long COVIDに対しては41.7%(同 15.0-60.0)であった。VEは5~11歳の小児(23.8%[4.9-39.0])よりも青年(50.3%[36.6-61.0])の方が高かった。VEは6ヵ月時点で高かったが(61.4%[51.0-69.6])、18ヵ月時点では10.6%(-26.8%~37.0%)に減少した。

結論
この大規模レトロスペクティブ研究は、重症急性呼吸器コロナウイルス2ワクチン接種のCOVIDに対する中等度の予防効果を示している。この効果は、long COVIDのリスクが高い青少年でより強く、時間の経過とともに減弱する。longCOVIDに対するVE機序の解明には、電子カルテソースや前向きデータを含めたさらなる研究が必要である。