多臓器障害とlong COVID:1年間の前向き縦断コホート研究

  • Dennis, A., Cuthbertson, D. J., Wootton, D., Crooks, M., Gabbay, M., Eichert, N., Mouchti, S., Pansini, M., Roca-Fernandez, A., Thomaides-Brears, H., Kelly, M., Robson, M., Hishmeh, L., Attree, E., Heightman, M., Banerjee, R., & Banerjee, A. (2023). Multi-organ impairment and long COVID: A 1-year prospective, longitudinal cohort study. Journal of the Royal Society of Medicine, 116(3), 97–112. https://doi.org/10.1177/01410768231154703

多臓器障害とlong COVID:1年間の前向き縦断コホート研究

目的
初発症状から6ヵ月後および12ヵ月後のlong COVID患者における臓器障害の有病率を明らかにし、臨床症状との関連を検討すること。

方法
急性COVID-19から回復した人を対象に、症状、健康状態、多臓器組織の特徴および機能を評価した。

実施設定
2つの非急性期医療環境(オックスフォードとロンドン)。ベースライン時に生理学的および生化学的検査を全個人に対して実施し、臓器障害のある個体については再評価を行った。

主要評価項目
主要アウトカムは、COVID-19施行後6ヵ月および12ヵ月における単一臓器障害および多臓器障害の有病率とした。

結果
合計536人(平均年齢45歳、女性73%、白人89%、医療従事者32%、COVID-19急性期入院13%)がベースライン評価を終了した(中央値:COVID-19後6ヵ月)。臓器障害または偶発所見を有する331人(62%)が追跡調査を受け、ベースラインより症状負担が軽減していた(6ヵ月後および12ヵ月後の症状数の中央値はそれぞれ10と3)。極度の息切れ(38%、30%)、認知機能障害(48%、38%)、健康関連QOLの低下(EQ-5D-5L<0.7;57%、45%)は6ヵ月後、12ヵ月後に多くみられ、女性、若年、単一臓器障害と関連していた。単一臓器障害および多臓器障害は、ベースライン時にはそれぞれ69%および23%に認められ、追跡調査時にはそれぞれ59%および27%に持続していた。

結論
臓器障害は、COVID-19の1年後に追跡調査された331人のうち59%で持続し、症状、QOL、長期的な健康に影響を及ぼし、COVIDの予防と統合ケアの必要性を示唆した。