実際の住宅におけるSARS-CoV-2 RNA表面汚染の崩壊パターン

  • Lin, N., Zhang, B., Shi, R., Gao, Y., Wang, Z., Ling, Z., & Tian, Y. (2024). Decay pattern of SARS-CoV-2 RNA surface contamination in real residences. Scientific Reports, 14(1), 6190. https://doi.org/10.1038/s41598-024-54445-7

COVID-19パンデミックは、将来に備えて深く考えるに値する貴重な教訓を与えてくれた。COVID-19患者の住居におけるSARS-CoV-2 RNAによる表面汚染の崩壊パターンは重要であるが、まだ不明である。我々は、2022年春にオミクロン変種に襲われた上海のCOVID-19患者の141の住居で、21カテゴリーの物体から2,233の表面サンプルを収集した。患者とその住居のいくつかの特徴を調査し、関連する関連を明らかにした。汚染の持続性を調べるために、汚染の減衰を調査した。表面サンプルの約8.7%がSARS-CoV-2 RNA陽性であった。最も陽性率が高かったのは洗面台、水道栓、下水道入口で、いずれも20%を超えていた。時間だけがSARS-CoV-2の表面汚染レベルと有意に関連し、負の関連を示した。減少率は0.77±0.07 day-1の一次減衰モデルに適合し、3日間で90%減少することが示唆された。同じ建物内で新たに診断された患者の累積数と、共用廊下のSARS-CoV-2 RNA陽性率との正の相関は、3日間で有意であった。この結果は、感染性あるいは生存率が低い可能性が高いことと合わせて、COVID-19の伝播においてフォミート伝播が果たした役割は限定的であったことを示している。SARS-CoV-2のRNA汚染は3日間減少した。本研究は、実際の居住環境におけるSARS-CoV-2汚染の減衰パターンを初めて示したものであり、伝播のパターンに対する洞察を提供するとともに、同様の脅威に対する地域社会に根ざした予防と制御を可能にするものである。