COVID-19と若い世代の心疾患リスクの高まり

COVID-19感染後の2年間で、25~44歳の若年層において心筋梗塞のリスクは30%増加している。これは、最近の研究によって明らかになった。

バスケットボール選手のデミ・ワシントンさんは、COVID-19感染後に心筋炎を発症した。幸いにも回復し現在は競技に復帰しているが、多くの人はこのように幸運ではない。

アメリカで行われた研究では、2022年までの2年間で全年齢層の心筋梗塞死亡率が増加しており、特に25~44歳では29.9%も上昇していた。

ロサンゼルスの救急隊員は、COVID-19の流行期と心筋梗塞の救急搬送件数の増加が一致していることを指摘している。

専門家は、COVID-19が血液の凝固性亢進や血管の炎症を引き起こす可能性があり、これが心筋梗塞のリスクを高める一因ではないかと考えている。若い世代は免疫系が強く、過剰な免疫反応が心臓に影響を与えるのではないかという説もある。

COVID-19に感染すると、たとえ軽症であっても、1年後には不整脈、心不全、心筋炎、心筋梗塞など心疾患を発症するリスクが「大幅に」上昇する

COVID-19は、心臓の細胞にも影響を与える可能性が指摘されている。また、COVID-19は血管を攻撃し、血栓形成を促進する可能性もある。

さらに、COVID-19に複数回感染すると、Long COVID(後遺症)として心疾患を含む様々な症状が現れるリスクが高まる。

専門家は、感染を避けるための予防策を徹底することを推奨している。具体的には、混雑した場所でのマスク着用、屋外での家族以外の人との交流、ワクチンの接種、症状出現時の検査と自宅療養などが挙げられる。

COVID-19に感染したことがある人、特に複数回感染した人は、血圧、コレステロール、血糖値など、心疾患のリスク因子を管理することが重要である。心筋梗塞の典型的な症状としては、胸の痛みや圧迫感、脱力感、めまい、冷や汗、顎や首、背中の痛み、息切れなどがある。

COVID-19パンデミック以前は、アメリカにおける心筋梗塞死亡率は減少傾向にあったが、パンデミックによってこの傾向が逆転している