that SARS-CoV-2 might, in some form or location, persist for long periods following
acute infection.1,2 Studies on SARS-CoV-2 persistence to date, however, have been
limited by small and non-representative study populations, short durations since acute
infection, unclear documentation of vaccination and reinfection histories, and the
absence of a true negative comparator group to assess assay specificity (appendix
p 2).
- Peluso, M. J., Swank, Z. N., Goldberg, S. A., Lu, S., Dalhuisen, T., Borberg, E., Senussi, Y., Luna, M. A., Chang Song, C., Clark, A., Zamora, A., Lew, M., Viswanathan, B., Huang, B., Anglin, K., Hoh, R., Hsue, P. Y., Durstenfeld, M. S., Spinelli, M. A., … Martin, J. N. (2024). Plasma-based antigen persistence in the post-acute phase of COVID-19. The Lancet Infectious Diseases, S1473309924002111. https://doi.org/10.1016/S1473-3099(24)00211-1
はじめに
新型コロナウイルス (COVID-19) 感染後に一部の人で長引く症状がみられることから、SARS-CoV-2 ウイルスが何らかの形で長期的に体内に残るのではないかという仮説が立てられている。しかし、これまでの研究は少人数の参加者や感染後からの経過期間が短いなど、限界があった。また、ワクチン接種や再感染歴の記録が不完全で、検査の精度を評価するための真の陰性対照群が欠けがちであった。
本研究の目的
本研究は、これらの限界を克服し、SARS-CoV-2 ウイルスの長期的な残存に関するより確かな証拠を得ることを目的とした。
方法
本研究では、171人の成人を対象に、RNA検査で陽性と診断された COVID-19 発症後 14 ヶ月までの経過で何度か採血を行い、解凍した血漿 (けっしょう) 中の SARS-CoV-2 抗原の存在を調べた。参加者のほとんどはワクチン接種や再感染前であった。また、SARS-CoV-2 に感染していないことを確認できる 2020 年以前の血液サンプルを採取した 250 人の成人を比較対照群とし、検査の特異性を確かめた。SARS-CoV-2 スパイクタンパク質、S1 タンパク質、ヌクレオカプシド抗原を測定する Simoa (クアンテリクス社) という検査方法を用いた。
結果
検査の結果、COVID-19 発症後の人たちから採取した 660 検体のうち、42 人 (参加者の 25%) の 61 検体 (9.2%) で、1 種類以上の SARS-CoV-2 抗原が検出された。最も多く検出されたのはスパイクタンパク質 (33 検体、5.0%) で、次いで S1 タンパク質 (15 検体、2.3%)、ヌクレオカプシド (15 検体、2.3%) であった。発症前の人たちと比較すると、COVID-19 発症後の人たちでは、発症後 3-6 ヶ月、6-10 ヶ月、10-14 ヶ月どの時点でも、いずれかの SARS-CoV-2 抗原が検出される頻度が有意に高かった。
また、COVID-19 発症時に hospitalization (入院) を要した人たちでは、入院を要しなかった人たちと比べて、SARS-CoV-2 抗原が検出される確率がほぼ 2 倍高かった。発症時の体調がより悪かった人たちでも、発症後期の抗原検出率が高かった。これらの findings (発見) は、急性感染の経過が持続的な SARS-CoV-2 の貯蔵庫形成に影響していることを示唆している。
考察
本研究は、急性感染時に複製能のあるウイルスが血液中に存在するという 2024 年の別の研究と合わせると、SARS-CoV-2 が血流を通じて遠隔の部位に移り、一部の場所で保護された貯蔵庫を形成する可能性があることを示唆している。
本研究の限界
本研究には、抗体反応を利用した検査であるため、検出された全てのシグナルが必ずしも SARS-CoV-2 特異的なものとは言い切れないという限界がある。理論的には、近縁の病原体や宿主由来の抗原との交差反応が起こる可能性があり、核酸検査とは異なり、特異性は完全ではなく、シーケンス解析による直接的な分析が可能です。したがって、SARS-CoV-2 抗原を検出する免疫学的検査の特異性を理解することは極めて重要であり、偽陽性を正確に推定するためには、十分に大きな真の陰性群が必要です。今回使用した Simoa հղ雑 (こうざつ) は 98% の特異性があることが示されましたが、完璧ではなく、個々の検査結果を解釈する際には注意が必要です。
結論
本研究は、SARS-CoV-2 ウイルスが何らかの形で、COVID-19 発症後最大 14 ヶ月間は体内に残存し、その持続性は急性感染の経過に影響を受けることを示す強力なエビデンスを提供する。
今後の課題
今後の研究課題としては、SARS-CoV-2 ウイルスの長期的な残存がどのような臨床的症状と関連するか、また、どのように治療すればよいかを明らかにすることが必要である。