重症COVID-19生存患者は1年後でも2/3が集中治療室症候群に似た持続的な障害を有していた

  • Makam, A. N., Burnfield, J., Prettyman, E., Nguyen, O. K., Wu, N., Espejo, E., Blat, C., Boscardin, W. J., Ely, E. W., Jackson, J. C., Covinsky, K. E., Votto, J., & for the Recovery After Transfer to an LTACH for COVID-19 (RAFT COVID) Study. (2024). One-Year Recovery Among Survivors of Prolonged Severe COVID-19: A National Multicenter Cohort. Critical Care Medicine. https://doi.org/10.1097/CCM.0000000000006258

方法

米国で2020年3月から2021年2月にかけ、重症COVID-19のため長期回復施設(LTACH)に移送された英語を話せる成人患者を対象とした。計282人が調査対象となり、そのうち156人 (55.3%) が参加した。

結果

約3分の2 (64%) の患者に何らかの障害が残存する。内訳は、身体機能障害 (57%)、呼吸器障害 (49%、うち19%は酸素投与が必要)、精神障害 (24%)、認知機能障害 (15%) である。参加者のほぼ半数 (47%) は、2種類以上の障害を抱えている。また、入院による合併症(モノニューロパシーや褥瘡など)による衰弱も認められる。

回復については、時間がかかり、運動/リハビリ、サポート、そして時間が経過することで改善が見られる。後遺症は日常生活に大きな影響を与えており、78.7% が以前の健康状態に戻れていないものの、回復できたことに対する感謝の気持ちが述べられる。具体的には、99% が自宅へ退院しており、以前働いていた人のうち60% は職場復帰を果たしている。

結論

重症COVID-19患者の約3分の2は、1年後に何らかの障害を残している。これらの障害は、集中治療室症候群 (PICS) に加え、入院による合併症による衰弱が重なった状態に似ている。