カナダにおけるLong COVID、後遺症が原因で復職・復学ができない成人は約10万人

調査対象期間と方法

調査対象期間は2020年パンデミック開始から2022年8月31日である ・無作為抽出されたカナダ成人を対象に、2022年4月1日から8月31日まで調査を実施した

調査内容は、COVID-19の確定または疑い診断後3カ月以上続く症状の有無であった

後遺症の有病率と影響

  • 2023年6月時点の調査によると、カナダ成人の64.4%がCOVID-19に罹患したことがある(確定または疑い)と回答しており、そのうち19.8%は複数回の感染を経験している
  • COVID-19に罹患した成人のおよそ19%(約350万人)が後遺症を経験しており、そのうち58.2%(約210万人)は現在も症状が継続している
  • 後遺症のために欠勤や欠席をした成人は約60万人おり、平均で24日間の休みを取っている
  • さらに、後遺症が原因で復職・復学ができない成人は約10万人と推計される
  • 後遺症を経験している成人の約66.4%は、医療機関を受診しても治療やサポートを受けられなかったと回答している
  • 一方、ワクチン接種に関しては、成人の49.2%が4回以上のCOVID-19ワクチン接種を完了している
  • 調査結果は、COVID-19に複数回罹患した人の方が後遺症を報告する確率が高いことも示している (1回の感染で14.6%、3回以上の感染で37.9%)

後遺症のリスク因子

2023年春に発行された報告書では、後遺症を報告する確率が高いグループについて言及している

  • 女性 (男性の12.5%に対し、女性の22%が後遺症を報告している)
  • 4つ以上の基礎疾患を持つ人 (基礎疾患なしの12.8%に対し、4つ以上の基礎疾患を持つ人の37.4%が後遺症を報告している)
  • 肥満気味または肥満の人 (正常体重の16.2%に対し、肥満気味または肥満の人の27%以上が後遺症を報告している)
  • 障害のある人 (障害のない16.3%に対し、障害のある人の28.3%が後遺症を報告している)
  • COVID-19の初期症状が重篤だった人 (初期症状なしの2.3%に対し、COVID-19で入院した人の44.7%が後遺症を報告している)

また、調査ではパンデミック初期に感染した場合や、ワクチン未接種だった場合も後遺症のリスクが高くなる傾向があることが示唆されている

過去の報告書との整合性

今回まとめた報告書の結果は、他の調査や国際的なエビデンスとも一致している

留意点

  • 本資料はハイライトであり、報告書の詳細な内容をすべて含むものではない。
  • 2023年3月1日時点の情報に基づいている