妊娠前・妊娠中にワクチンを接種した群の方が、早産 や死産の発生率が低かった アメリカ

  • Faherty, E. A. G., Wilkins, K. J., Jones, S., Challa, A., Qin, Q., Chan, L. E., Olson-Chen, C., Tarleton, J. L., Liebman, M. N., Mariona, F., Hill, E. L., Patel, R. C., & The N3C Consortium. (2024). Pregnancy Outcomes among Pregnant Persons after COVID-19 Vaccination: Assessing Vaccine Safety in Retrospective Cohort Analysis of U.S. National COVID Cohort Collaborative (N3C). Vaccines, 12(3), 289. https://doi.org/10.3390/vaccines12030289

概要

この研究は、アメリカ合衆国で行われたCOVID-19ワクチン接種の安全性を調べる大規模な後方コホート研究の一部である。COVID-19ワクチンは妊婦を含む重症化予防に効果的であることが示されているが、アメリカでの異なる変異株優勢時期における安全性データは十分ではなかった。

目的

本研究は、アメリカにおける妊婦におけるCOVID-19ワクチン接種と妊娠成績との関連を調べることを目的とした。

方法

・解析対象は2020年12月~2023年10月の妊婦311,057人 ・時期区分:デルタ株・オミクロン株優勢時期 (各妊娠期間の50%以上) とそれ以外の時期 ・比較項目:早産率、死産率 ・統計手法:多変量ポアソン回帰分析、層別化による正確なオッズ比

結果

・ほとんどの解析期間において、妊娠前・妊娠中にワクチンを接種した群の方が、早産 (aIRR 0.42~0.85、p値 <0.001~0.06) や死産 (オッズ比 0.53~1.82、p値 <0.001~0.976) の発生率が低かった。

結論

・COVID-19ワクチン接種と早産や死産との間に有意な関連は見られなかった。 ・この結果は、妊娠中のCOVID-19ワクチン接種が安全であることを裏付ける。 ・公衆衛生上の緊急事態宣言が解除された後も、妊婦・医療従事者・政策立案者が妊婦のCOVID-19ワクチン接種の重要性を認識する上で大きな後押しとなる。