再感染者は初感染者に比べて、高熱、入院、ICU入室、肺炎の発生率が著しく低く、ワクチン接種者も効果があるが、混合免疫者で顕著

  • Sun, Y., Duan, Y., Qian, J., Qu, Y., Wang, Y., Fan, G., Huang, Q., Li, Z., Yang, W., Feng, L., & State Key Laboratory of Respiratory Health and Multimorbidity, Key Laboratory of Pathogen Infection Prevention and Control, Ministry of Education, School of Population Medicine and Public Health, Chinese Academy of Medical Science & Peking Union Medical College, Beijing, China. (2024). A Large-Scale Online Survey on Clinical Severity and Associated Risk Factors for SARS-CoV-2 Omicron Infection—China, April–May 2023. China CDC Weekly, 6(15), 305–311. https://doi.org/10.46234/ccdcw2024.059

2023年4月から5月にかけて、中国全土の31の省レベル行政区で行われた大規模オンライン調査により、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の臨床的重症度および関連リスク因子についてのデータが収集された。この調査は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)オミクロン株の影響を詳細に分析することを目的としており、特に初感染者と再感染者の臨床的特徴が比較された。

調査結果によると、最も一般的に報告された症状は発熱、咳、喉の痛みであり、4回のワクチン接種や再感染が短いウイルス排出期間、入院率の低下、肺炎リスクの減少に関連していることが明らかになった。さらに、60歳以上の高齢者や基礎疾患を持つ人々は、肺炎を発症するリスクが高かった。

本調査は、新浪微博プラットフォームを通じて自己設計したアンケートで実施され、核酸または抗原検査でCOVID-19陽性と判定された42,987人のデータが分析された。初感染者と再感染者を区別し、年齢や基礎疾患などのリスク因子と疾患重症度との関連を多変量解析で評価した。この分析から、再感染者は初感染者に比べて、高熱、入院、集中治療室(ICU)入室、肺炎の発生率が著しく低かった。

また、再感染が症状の軽減や医療機関を受診する行動の低下につながることも示された。これは、再感染によって獲得される免疫が病気の重症度を軽減する一因と考えられる。しかし、再感染者においても高齢者や基礎疾患を持つ個体は依然として高リスクであるため、これらの人々に対する積極的なヘルスケアの提供が重要である。

ワクチン接種は、入院、ICU入室、肺炎のリスクを減少させる効果が認められ、特に混合免疫を有する者において、これが顕著であった。しかし、調査対象者のうち73.79%のみが基本的なワクチン接種シリーズを完了しており、最後のワクチン接種から6ヶ月以上が経過している者が57.13%に上ることから、適時にワクチン接種を受けることの重要性が指摘されている。