- Szanyi, J., Howe, S., & Blakely, T. (2024). The importance of reporting accurate estimates of long COVID prevalence. The Lancet, 403(10432), 1136–1137. https://doi.org/10.1016/S0140-6736(23)01120-0
長期COVIDの有病率に関する正確な推定値報告の重要性
2023年3月の論説記事は、新型コロナウイルス後遺症(Long COVID)の理解と対応を加速させる必要性を指摘した。しかし、この論説記事とそれに関連する The Lancet Infectious Diseases 誌のコメントはどちらも、Long COVID の有病率について誤った推定値を引用していた。
世界中で 6,500 万人が Long COVID に罹患しているという主張は、2023年3月に発表された総説論文に由来する。著者たちは、この数字に到達するために、オミクロン株以前の研究 (主に未接種成人対象、オランダで実施) から得た、SARS-CoV-2 感染後 90-150 日目の症状有病率推定値を用い、これを世界累計の COVID-19 症例数に当てはめた。しかし、この方法は妥当ではない。例えば、この推定値は Long COVID が決して治癒しないことを前提としており、ワクチン接種が Long COVID リスクを約 50% 減らすことを示す研究を無視している。さらに、オミクロン株感染ではデルタ株感染と比較して Long COVID 発症率が最大 75% 減少することが示唆されているにも関わらず、SARS-CoV-2 変異株による差も考慮されていない。
我々は、質が高く、連携が取れた、そして多分野にわたる研究によって、Long COVID 患者を診断、治療、支援するためのさらなる取り組みが必要であることに同意する。しかし、科学的に検証されていない Long COVID の負担に関する推定値を繰り返し唱えることは、この使命を損なうことになる。