COVID-19ワクチン接種後の心筋炎

  • Hamatani, Y., & Akao, M. (2023). Myocarditis after vaccination for COVID-19. Japanese Journal of Thrombosis and Hemostasis, 34(4), 452–456. https://doi.org/10.2491/jjsth.34.452

ワクチン接種後心筋炎に罹患した患者に対する,追加のCOVID-19ワクチン接種の是非については,データが無く定まった見解は無い.本稿執筆時点での最新の総説によると12,ワクチン接種後6週以内に心筋炎に罹患した患者に対しては,追加のワクチン接種は延期すべき,となっているが,今後は安全性や有効性に関する検討が待たれる.

ワクチン接種後の心筋炎罹患後に,日常生活に復帰できるのか?についても,特に若年層に多い疾患であり,重要な点だと考えられる.これに関してはアメリカ心臓病学会から,COVID-19罹患後の患者に対するコンセンサスステートメントが発表されている.ここでは,(ワクチン接種後ではなく,COVID-19感染後であるが)心筋炎合併例では3~6か月程度は激しい運動は控えるようにとの記載になっている34.ただし,ワクチン接種後の心筋炎は,COVID-19感染に伴う心筋炎よりも心筋障害が軽く35,また予後も良いとされており18,どこまで運動制限が必要かについてはさらなる議論が必要かもしれない